経費削減 基本手法 データ分析

経費削減の基本手法 データ分析

1年分のデータを分析して経費削減とは
経費削減を実施する場合、削減対象となるものや削減のアイデアは
水道光熱費、通信費、ライセンス費用・・・など、
多くの企業に共通することが多い。

しかし、会社が異なれば営む事業が異なり、また各会社の費用に対する考え方や方針、使い道が異なるため、 多くの企業に当てはまらないあなたの会社独自の無駄な経費が存在する。

それらあなたの会社独自の無駄な経費全てを紹介するサイトは存在しない。
しかし、経費削減のアイデア、あなたの会社独自の削減対象となる経費を見つける方法がある。
ここでは経費削減の基本手法の一つとして、データ分析の方法について解説していく。

分析対象とするデータと切り口

あなたの会社独自の無駄な経費を見つけるには、実際に使われている経費データを分析するのが最も確実である。
経費データの分析には、以下のようなボリュームと切り口が必要になる。

その他必要項目

少なくとも1年分のデータが必要

経費削減の対象を見つける場合、少なくとも1年分のデータを調査・分析するのが良い。
理由は以下の通りである。
  • その月たまたま発生した・しなかった偶発性を見逃さない
  • 季節変動、1年に1度などのイベントを見逃さない
  • データ活用時、時系列でデータ分析できる

勘定科目でなく、商品名を切り口に

財務会計処理をしている企業なら、全ての費用を会計システムに登録しているため、 1年分のデータを収集することは容易と思われるかもしれない。

しかし、経費削減に必要なデータは財務会計の勘定科目でなく、 財務会計よりも更に詳細な商品・サービス単位の名称が良い。
例えば旅費交通費という勘定科目では、その金額が妥当か、無駄遣いかを知ることはできないが、
飛行機運賃(JAL:東京→大阪)と記載していれば、その金額が妥当か、無駄遣いかを簡単に判断することができる。
管理会計を導入している企業なら、それらのデータを活用できるかもしれない。

その他分析に必要な項目

上記以外に経費削減の分析に最低限必要と思われる項目は以下の通りである。
下記以外にもこんな切り口があれば、と思うものがあればどんどん付け加えると良い。
また、一つの経費について、大きな切り口(分類)と小さな切り口(詳細)に分けることでより一層分析しやすくなる。
  • 購入者
  • 購入日付
  • 利用部署
  • 利用者
  • 商品分類(勘定科目)
  • 金額
  • その他

全てのデータをExcelファイルにまとめる

少々面倒ではあるが、上記のデータを全てExcelファイルに記入する。
会社の規模によるが、従業員数が100人以上になるとおそらく数千件を超すデータになるだろう。
経費申請システムや支払い申請システムを利用している会社なら、情報システム部に依頼すれば、 データベースから簡単にデータを取得できるだろう。

分析の視点とExcelピボットテーブル

経費削減のデータを分析するのに最も良いツールはExcelのピボットテーブルである。
縦、横の集計による2次元や多次元のデータ集計だけでなく、切り口のドラッグ&ドロップだけで簡単に分析の視点を変えることができる。

Excelピボットテーブルが経費削減データの分析に優れる理由は以下の通りである。
  • 多次元分析が可能である
  • 行・列など分析の視点を項目のドラッグ&ドロップだけででき、入れ替えた視点の結果がすぐに反映される
  • データの並び替えや集計方法(合計、個数のカウント、平均、最大値など)を選択できる
  • 集計結果の詳細が知りたい場合はダブルクリックするとドリルダウン結果が表示される
  • 元のデータに行や列を追加しても、更新ボタンを押すだけで集計結果や項目名として反映される

事実をつかむ、仮説を検証する

データの活用方法は様々だが、データ分析をあまり行ったことがない人のために、 簡単な基本方法を紹介する。
それは、1件1件データを見て、仮説を立て、検証する。
たったこれだけである。

データ分析とは本来地味な作業である。
しかし、その地味な作業を続けることで経費削減のアイデアとなる新たな気付きが生まれる。

以下、簡単な分析の視点について紹介する。
これ以外にも様々な方法があるので、いろいろ試して欲しい。

大きな経費は何か-ABC分析

経費削減にもABC分析は応用できる。
大きな経費は少しでも削減すると大きな効果がある。
商品名ごとの金額を合計し、降順で並び替えればあなたの会社で最も経費がかかっている商品が分かる。
経費削減に効果のあるもの、対象が明確になっているので、 あとはその商品についてどうすれば経費を削減できるか考えるだけである。


経費利用が多い人がいる?

経費の利用について、もしかするとある人に無駄使いの傾向があるのかもしれない。
その人を見つけて直接注意すれば、経費削減につながる。
購入者ごとの金額を合計し、対象者を見つけ、何に利用しているか、なぜ経費が多いのか各明細チェックすれば経費を削減できる。


分析で分かったことは仕組化する

データ分析を通じて判明した削減対象となる経費は、マニュアルや仕組み、ルールを作ることで、 会社が存続する限り、削減できる経費となる。
同じ過ちを犯さないよう仕組みルールを作ることで強い企業体質に変えることができる。
業務の仕組み作りについては業務改善手法(※外部サイト)をご参照下さい。


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