通勤交通費に関わる経費削減とは
通勤交通費の経費削減を考える場合、基本となるのは6ヶ月支給などの定期割引である。しかし、会社の近くならそもそもの定期代を安くすることも可能である。
また、電車通勤は本当に従業員のためになっているのだろか。
ここでは通勤手当の経費削減方法について、やり方とちょっとしたコツについて解説していく。
通勤交通費に関わる経費削減 4つの視点
- 健康を促す
- 会社の近くに引越しを促す
- 長期支給にする
- しっかりチェックする
社員100人当たり年間経費削減額 | 252,000円~1,516,000+@ |
健康を促す
通勤前のランニングや週末のサイクリングなどサラリーマンやOLの健康志向は根強い。アメリカや日本でも高給取りほど運動をする、という統計が出ているとも言われている。
この健康志向を会社が推奨してあげ、通勤費の経費削減につなげてみてはいかがだろうか。
例えばランニング出勤の場合、通勤費の7割を支給する。
健康にも良く、体力もつくため、運動不足に悩むサラリーマンには嬉しい制度になるはずである。
1年のうち1ヶ月でも良い。バスと電車の乗り継ぎ通勤なら、バスだけでも良い。
長い通勤時間の途中の駅まででも良い。
また、会社に簡易の着替え室を用意してあげても良いかもしれない。
寛容な制度、後押しする施設を設け、従業員の健康志向を後押しして上げるのだ。
全従業員の1割の人数が参加してくれるだけでも大きな経費削減効果を得ることができる。
1ヶ月の通勤手当7,000円の人がランニング通勤(7割支給)に変えた場合
通勤方法 | 通勤費用 | 経費削減効果 | 経費削減効果 (全従業員100人の1割)/1ヶ月 |
経費削減効果 1年 |
電車通勤 | 7,000円 | 2,100円 (7,000円-4,900円) |
21,00円 (70,000円-49,000円) |
252,000円 (21,000円×12ヶ月) |
ランニング通勤 | 4,900円 |
無許可でやらせないこと
従業員によっては既に隠れてランニング出勤し、交通費を全額受け取っているかもしれないが、 万が一の場合、会社に申請している通勤経路外となり、労災の対象外となってしまう。全従業員にそのことをしっかり伝え、理解を得るようにしたい。
上記では7割負担としたが、9割負担でも経費削減効果はある。自転車などの場合、駐輪場を会社で補助してあげるのも良いかもしれない。
会社の近くに引越しを促す
家族や実家・持ち家がある人は対象外となってしまうが、徒歩圏、あるいは自転車通勤圏に住む従業員の補助を出してあげるようにする。この制度のメリットは金銭的な経費削減効果以上に、身体が資本であるサラリーマン、OLを満員電車のストレスや長時間通勤の疲労から開放できることである。また上述したような健康志向にも合致するだろう。
その結果、業務効率がアップしたり、うつ病等による休職が減らすことができ、会社にとってもメリットが大きい
会社の徒歩圏内、自転車通勤圏内なら一律〇〇円支給、など制度を設けることでフットワークの軽い単身世帯は喜んで引っ越してくれるかもしれない。
長期支給にする
通勤手当の経費削減における基本中の基本である。途中変更や退職による戻入計算、会計処理が多少面倒ではあるものの、削減効果は大きい。
ただし、3ヶ月定期はあまり経費削減効果はないので、やらない方が良い。
1ヶ月の通勤手当12,640円(町田⇔新宿)の人が6ヶ月定期に変えた場合
定期券購入月数 | 通勤費 | 経費削減効果 | 経費削減効果 1年 |
経費削減効果 100人 |
1ヶ月 | 12,640円 | - | - | - |
6ヶ月 | 68,260円 | 7,580円 (12,640円×6ヶ月-68,260円) |
15,160円 (12,640円×12ヶ月-68,260円×2回) |
1,516,000円 |
※通勤経路は平成25年度小田急線の定期代金より算出
しっかりチェックする
通勤費申請の内容は賃金規定に細かくで明記されているだろうか。従業員の中には通勤費の申請を本当にごくごく少数ではあるが、ごまかす人もいる。
最寄り駅から正しく申請されているか、バスを利用して問題ないかなど通勤申請書とWEB上の路線図の金額と照らしてチェックすれば良い。
ただし、人数が多い場合は人事部などが一括でチェックを行なってはならない。
不正申請は極めて確率が低く、あってもその額が非常に少額であることから、 金銭的な経費削減効果よりもチェックに費やす人件費(時間コスト)の方が高額になるからだ。
この手の単純作業(誰でもできる作業)は分散し、各部署毎、上司などに責任を負わせるのが良い。
業務の間の気晴らし作業として処理してくれるだろう。
チェックの方法は購入済み定期のコピー提出や目視チェックなどで問題ない。
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