オフィス家賃の経費削減手法

オフィス家賃に関わる経費削減手法とは

家賃・オフィス賃料に関わる経費削減手法とは
多くの会社にとって家賃・オフィス賃料の支出に占める割合は大きく、オフィス賃料が少しでも下がると経費削減効果は大きい。
オフィス賃料は景気や人口増減、都市の発展に左右され変動しやすいため、賃料値下げのチャンスは定期的に巡ってくる。 ここではオフィスの賃料に関わる経費削減について、考えていく。

オフィス家賃に関わる経費削減手法 3つの視点

  1. オフィスの位置を再定義する
  2. 賃料の交渉術
  3. その他オフィス賃料の経費削減雑学
年間経費削減額 現在賃料の20%+@

オフィスの位置を再定義する

会社がどうしてもそこに存在しないといけない理由はなんだろう。
多くの企業が都心部、市街地の一等地にオフィスを構えるが、その意図は何だろう。
ほとんどの会社にとって絶対にここでないといけないという明確な理由はない。
言い換えるとオフィスの移転は可能である。

ある程度の縛りがあるかもしれないが、隣のビル、町内、郊外、市内、県外、海外など、まずは移転可能な範囲を検討してみることだ。

都心部、市街地、駅前にある企業が郊外、駅遠に移転すればそれだけで賃料は大幅に下り経費削減効果は大きい。

100坪のスーペースで渋谷から川崎(距離約15km)移動した場合
場所 家賃/100坪 経費削減
1ヶ月
経費削減
1年
渋谷・代々木 1,362,500円 389,400円 4,672,800円
川崎 973,100円
※オフィス坪単価は三幸エステート様サイトより算出

企業のオフィスの位置を検討する場合、以下の4つの視点から検討すべきである。
  • 顧客の拠点
  • 営業の拠点
  • 社員の拠点
  • ブランド価値

顧客の拠点

これは企業の所在を決める上で最も重要な要素となる。
特に会社の顧客がリピーターと呼ばれる顧客で、且つ、サービスを提供する場がオフィスである場合、オフィスを移転することは一時的かもしれないが、大きな売上の減少を招くことがある。
特に不特定多数のBtoC企業の場合はその兆候が顕著である。

逆の見方をすれば、それ以外のオフィスはほとんどの場合、今のオフィスである必要はない。
地域密着型サービスを提供する会社であれ、その地域の他のオフィスに移ることも可能である。

営業の拠点

顧客の拠点と同義であるが、こちらはまだ獲得していない潜在顧客を意味する。
営業の拠点は会社のサービス提供範囲であり、自社が提供可能なサービスを最も効率的に提供出来る場所であるべきである。
営業交通費や営業方法によってどの程度営業先からオフィスが離れても問題ないかが決まる。

社員の拠点

社員の通勤は毎日のことであり、直接的には通勤費と直結する。
また間接的には、電車でのストレスやランチの代金(都心部、市中心部の方が比較的高い)などに影響がある。

ブランド価値

いわゆる広告宣伝費や社長の夢のようなものかもしれない。 都心の一等地にオフィスを構えることが夢、モティベーションになっているかもしれない。 また、新入社員を雇う場合に、都心、市内中心部、郊外だとイメージは異なるかもしれない。

中心部 郊外
メリット
  • ブランド価値、企業イメージ
  • 取引先が多く営業先が密集しており、営業交通費が安い、緊急の場合はすぐに取引先に駆けつけることができる
  • オフィス賃料が安い
  • 通勤交通費が安い
  • 社員の通勤のストレス緩和
  • のんびりランチ、物価が安い
デメリット
  • オフィス賃料高い
  • 通勤交通費が高い
  • 満員電車などの精神的ストレス
  • ランチが混雑、物価が高い
  • オフィス位置のブランド価値は乏しい
  • 取引先が少なく、営業交通費が高い、訪問に時間がかかる

賃料の交渉術

今のオフィスを移転せず、値下げ交渉に成功することが最大の経費削減となる。
以下、基本となる方法である。
  1. 近所の空きオフィスを調査する
  2. 空きオフィスに対して、現状の家賃を踏まえ交渉する
  3. 今のオフィスに対して、新オフィスの家賃を踏まえ交渉する

近所の空きオフィスを調査する

近隣の空きオフィスを調査し、付近のおおよその値段を把握しておく。
理由はオフィスは景気や人口流出入などの影響を受けやすいからである。

その為、景気や場所によっては毎年オフィス賃料が下がることは珍しくない。
現在のオフィスの賃料が近隣相場と比較して高いと感じるようなら賃料の経費削減は可能である。
気に入る物件が見つかるまで探してみることだ。
また、同じオフィス内でも空きオフィスがある場合、最新賃料で貸出されている場合もある。
最新賃料がやすいようなら非常にラッキーである。

空きオフィスに対して、現状の家賃を踏まえ交渉する

空きオフィスで気に入った物件があれば、一度相談してみると良い。
この時、近隣の相場感を踏まえ、表示賃料よりも値下げが可能な場合には値下げ交渉してみるのも良いだろう。
現状の賃料が大幅に高い場合には現状について伝える必要はない。
ここで納得できるまで交渉し、契約する一歩手前まで交渉を進めておくことが重要である。

今のオフィスに対して、新オフィスの家賃を踏まえ交渉する

新オフィスの目処がついた後、現オフィスと家賃交渉を進める。
以下に示すように、敷引き、引越代によっては新オフィスへの移転の経費削減効果が2年~3年かかる場合があるため注意が必要だ。

この時に新オフィスの賃料を現オフィスの家主に伝えておくとそれが基準となり、安くなる可能性がある。
失敗しても損害は何もないため、一度相談するだけでも良い。
解約時の敷引き、オフィスの移転費用と新オフィスの家賃の損益分岐点を見つけておくとさらに交渉が捗る。

賃料100万円が5%下がった場合
- 賃料 敷金(返却7割、新) 引越代金 経費削減1年
旧オフィス 100万円 -
新オフィス 90万円 120万円
(敷引420万 - 新敷金540万)
200万円 -200万円
現オフィス新家賃 95万円 0円 0万円 60万円

オフィス賃料交渉のプロを活用する

経費削減の為、オフィス賃料を安くしたい場合、上述の様に自分で実施する方法以外にプロに任せることも可能である。
オフィス賃料交渉のプロは成功報酬制度をとっているところが多く、相談者に不利益が生じないため、より確実に経費削減したい場合には一度相談してみるのも良いかもしれない。

その他オフィス賃料の経費削減雑学

敷金返却のプロが存在

上述のように、新オフィス移転へのネックとなるのは敷引きと移転費用である。
特に都心の高層ビルや市街地の最新のビルでは敷金が非常に高い場合がある。
しかし、原状回復費用と称して敷金が返っててこないこともあり、これが移転の大きなボトルネックになることは少なくない。

オフィスの敷金返却のプロに依頼すると9割以上返却されることもあるという。
オフィス移転時に敷引きに納得がいかない場合には相談すると多くの敷金が返却されるかもしれない。

賃料は毎年チェックする

オフィス賃料の相場は変動が激しい。
前年比5%下落などは特に珍しいことではない。
近隣に空きオフィスが出たらホームページなどでその都度チェックしておくと良い。
特に同じビル内で空きが出た場合、坪単価も計算しておけば、その都度賃料の交渉が可能である。

オフィス移転は景気の悪い時がチャンス

オフィスの賃料は景気の影響を大きく受ける。
その為、景気が悪いと大きく下落するため、移転のチャンスである。

貸し会議室、レンタルオフィスを活用する

営業がメインの会社や普段オフィス内が空室となる会社にとって本当にその広さは必要だろうか。
自社開発を行わないシステム開発会社や普段は社員が現場へ直行するような業態の場合、 会議時のみ、貸し会議室を借りる方が大きな経費削減になる。
また、人数の変動が激しい創業期などは通常のオフィスよりもレンタルオフィスの方が敷金、引越し代金、備品などが不要なレンタルオフィスの方が安い場合が多い。
経費削減のため貸し会議室やレンタルオフィスを有効活用したい。


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