問い合わせ対応を減らして経費削減とは
会社によっては社内、社外からの問い合わせが異常に多い場合がある。これら問い合わせ対応に時間が掛かり、本来の業務が進まず、その結果残業することも多々ある。
問い合わせを減らすことができれば残業を減らせたり、作業スピードがアップすることは理解しつつも、 ほとんどの会社では問い合わせ対応専用の部署を作ったり、コールセンターを作る余裕はない。
費用を抑え、問い合わせ対応を減らす方法は無いのだろうか。
ここでは問い合わせ対応業務について、経費削減の観点から考えていく。
なぜ問い合わせ対応を減らすことで経費削減できるのか
問い合わせ対応業務を見直すことで、直接的に経費を削減できるだけでなく、間接的にも経費削減効果がある。直接的な経費削減効果
- 問い合わせの時間を削減することで直接的には残業時間を減らすことができる
- コールセンターや問い合わせ対応用の人件費およびその募集、研修費を削減できる
間接的な経費削減効果、その他効果
- 問い合わせ対応業務に当てていた時間の有効活用
- 問い合わせ対応業務の改善を通じて得られた非ルーチン業務の遂行能力
経費削減の対象は問い合わせの多い業務、内容
もちろん全ての問い合わせ業務を見直す必要はない。問い合わせが多い業務、あるいは、問い合わせが多い内容のみ対応するだけで、多くの経費を削減できる。
(理由は大きいものから業務改善(※外部リンク)を参照して頂きたい。)
そして、多くの企業で問い合わせが多いのは総じて以下の3つである。
- 社内情報システム部
- 社内経理部
- 対顧客商品・サービス
問い合わせ対応に関わる経費削減 4つの視点
- 電話 → メールへの問い合わせに変更する
- インターフェースを見直す
- FAQを用意する
- 研修を実施する
年間経費削減額 | 問い合わせ時間の数%~数十% + それらに掛かる直接・間接経費 |
電話 → メールへの問い合わせに変更する
問い合わせで時間が掛かる理由の1つに問い合わせ手段が電話である、という理由がある。もちろんシステムの故障や緊急を要するような問い合わせは、業務に支障をきたすため、電話による問い合わせがベストであるが、全ての問い合わせが電話である必要はない。
電話での問い合わせが時間が掛かる理由は以下である。
- 問い合わせする者が手軽に利用することができるため、質問や意図を整理せず「とりあえずかけてみる」という行動をとりやすい。その結果、不要な問い合わせが多発する。
- 人は変われど同じ内容の問い合わせが頻発する。それらに毎回対応する必要が生じ(=不要な対応)時間がかかる。
- 作業中であっても電話からは逃れることはできない。作業が途中で中断するため、作業者や作業内容によっては一から作業のやり直しが生じる。
- メール作成の手間を省くため、問い合わせの前にまずは調べてみよう、という姿勢が生じ不要な問い合わせが減る
- 過去に回答した内容と同じ問い合わせの場合、その回答をそのまま送付するだけで解決でき大幅な時間の短縮になる
- 急ぎでない問い合わせには作業を中断する必要がなく、一息ついた時に気持ちを切り替えて対応できる
かたやメールでの問い合わせは電話と比較すると、サービスの劣化と考え反発が起こることもある。
特に上位階層である中高年ほどその傾向が強い。
利用者の反発を避けスムーズに移行するには、移行時期や移行方法を工夫したり、目的や論拠を明確にする必要である。
インターフェースを見直す
システムのインターフェースと問い合わせ数は非常に密接な関係がある。ある企業で経理部の業務改善に着手した結果、業務のうち実に7割以上が問い合わせ対応時間だったこともあるほどだ。 ちなみにこの企業の経費申請システムは、経理知識のない全社員に勘定科目の選択を強いるシステムを利用していた。
このような企業では、無理に経理システムを導入するよりも紙ベースでやりとりしたり、アウトソースを検討した方が経費削減につながることもある。
システムのユーザーインターフェースを考える場合、システム利用者のITリテラシーや利用対象者のスキルを明確にすることはもちろんのこと、 利用者が分からない言葉や専門用語を用いない、システムヘルプを画面上に用意する、誤り入力には箇所と訂正方法をしっかり指摘してあげるなど随所に細かい工夫を凝らすべきである。
FAQを用意する
問い合わせをする前に、ほとんどの人は自ら調べてから問い合わせをする。特にメールで問い合わせをする場合、メール作成の手間を省きたいという理由から、周りに聞いたり、熱心にFAQを調べる。社外・顧客にはFAQを用意しているが、社内にはFAQを用意してない企業は実に多い。
最近関心したFAQは、問い合わせ内容のカテゴリを選ぶと過去の問い合わせ候補を表示してくれたり、送信確認前に類似問い合わせを表示したりと徹底的に問い合わせを減らす工夫をしているシステムがあった。
問い合わせ数削減の為にどこまで費用をかけるかは各企業によるが、FAQを用意することは簡単に問い合わせ数を削減できる手段である。
研修を実施する
予め問い合わせが多いと予測できる内容は、一斉研修など事前に実施する方が経費削減できることがある。新システムの利用、年末調整の申告書の記入など。
利用者を限定したパイロット導入を実施することで問い合わせ内容の洗い出しを済ませることでシステムや説明資料の事前改善、問題点の洗い出しも可能である。
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